ニュース中心に好きなだけ突っ込んでみるる


by majilife

サムライにふさわしい銅メダル

為末大が来た!あのゴールを見たか?

最後の最後まで力を抜かず、ゴールに前のめりに転がり込んだあの姿を見たか?

陸上で前回り受け身をする奴を、そこまでして勝負にこだわる男を見たか?

男泣きに泣く為末の姿に感じるものの無い奴は男じゃないぜ!

私は為末というアスリートが好きだ。カッコだけのストイックな奴は腐るほど居る。気分だけ「死ぬ気で頑張る」奴もそこらにゴロゴロしている。

だが、為末は本当にストイックだし、「死ぬ気」の男なのだ。それを感じるから、400mハードルの決勝が始まるまで今夜は眠る事が出来なかった。

予選のタイムを見て、メダルは無理かとも思ったのだが、何かが起きるような気がしてならなかった。

その予感を裏付けるように、決勝前に突然ヘルシンキ会場の天候が激変する。激しい雷雨で空に稲妻が走り、トラックは水浸しだ。

「このレースは荒れる。そういう時には精神力の差が決め手になる。」

雨脚が弱まって始まった決勝、一回目のスタートはフライングで仕切り直しとなる。しかしクローズアップとなった為末の表情に乱れはない。

「来るかもしれない……。」

この4年間、苦しみと正面から向き合い、逃げずにスランプと戦い続けてきた為末にとって、雨もフライングも集中力を乱す出来事にはなり得なかった。むしろ苦しみ抜いた4年間はこの日の彼の精神力を磨き上げる為にあったのだ。

持ち味のスタートダッシュ、先行逃げ切りでレースを引っ張って行く為末。雨の中でも乱れない、まさに日本刀を思わせる切れの良いハードリング。

最後のハードルを越えた時点で為末の順位は3位か4位か判別がつかなかったが、ゴール直前では間違いなく4位だった。

「万事休す!」

と思ったその時、ゴールに飛び込む3位の選手が最後の一歩で手を抜いた。ふっと減速したその半歩先に前のめりに転がり込む為末!力を使い切り、そのままゴール直後に転倒してしまった。

これこそが執念だ。

4位になってしまった選手が最後まで全力で走っていたら、為末は勝てなかったかもしれない。だが、最後の半歩で勝負は決まった。その勝負に懸ける念いの強さが為末に勝利を呼び込んだのだ。

4年間、ただ苦しんだのではない。苦しんだら、その分だけ運命は手加減してくれるなどと勘違いする奴が多いが、為末はまっすぐに苦しみと向き合い、苦しみから逃げる事無く、むしろその苦しみを自分の糧とした。だからこそ、今大会での銅メダルとなったのだ。

エドモントンの時とメダルの色は同じだが、その価値には大きな差がある。

おめでとう!為末!そして美しいレースをありがとう!私も、私のフィールドで為末のように、まっすぐに手を抜かない自分を通して行く。今日の感動にかけて誓う。
[PR]
by majilife | 2005-08-10 05:26 | 俺の側で愛を叫べ